職種×価値観調査

慶應大学商学部牛島ゼミにて、各職種に就く社会人がどのような価値観で仕事を行っているか調査したレポートです。【学生みなさまへ】価値観カテゴリーが1記事に対して複数つけられることが分かったので、複数カテゴリ付けを奥居の方で修正しています!新規登録時は、先輩の価値観を全部カテゴリ付けしてください

ちはる②(医師/整形・形成外科/14年目)

1.先輩の仕事

◼︎お仕事先のお客は誰?そのお客さんはどんな悩み・ニーズがある?

主に整形外科、形成外科に来る患者で、救急や消化外科に来る患者も持つ

 

 ◼︎お仕事先では顧客に対してどんなサービス/商品をどうやって提供している?

そのサービスの中で先輩はどんな役割を担っている?

週何回か外来として複数の病院に勤務し、診療、手術をしている。

個人で動くので、上司・部下を持たず、初めて赴く病院に行った時も、長年勤務している現地のスタッフを指導できる立場にある。

 

2.この仕事で満たされる価値観

◼︎先輩の価値観

自分が仕組みを作る

 

 ◼︎仕事をしていて「この価値観が満たされているな」と感じる時

①自分の裁量が大きい

医師という仕事は資格を持っているだけで裁量を持つことが出来る。

自分のやりたいことをやって、他人から評価されたとき。

②自分のやった仕事が、個人の評価になる

 企業に勤めている場合、自分のやったことは企業の評価になると思うが、医師としてやった仕事は個人の能力が評価されるから。

 

◼︎あなたの価値観を先輩に見せ「この価値観にこの仕事は向いているかどうか」のアドバイスを持ってください

他人の評価が必ずしも自分が本当にやりたいことをやった結果によるものだとは限らない。

他人に評価されることが目的になってしまうと疲れてしまうので、相手の評価軸の中で、自分のやりたいことと相手から評価されることが一致するところから考えることが大事。

 

3.この仕事に必要な能力

◼︎この仕事に必要な能力

①専門知識、専門的思考(科学的に状況判断)=科学者としての能力

②臨床家としての全体を考え、責任を取る力、現場を作る力

③人格者としての能力

 

◼︎なぜその力が必要?

まず①が必ず必要。少々患者から嫌われたとしても、科学者として適切な判断をしていれば良いから。

②は、患者の社会的背景を考えたり、病院の設備、お金、時間等、限られた中でいかに診療するかを考えることが必要だから。

③は、患者の価値観や立場を考える力、患者に「人」として接する力が大事だから。

ただし、③だけ備えていてもそれはただの傾聴家であり、患者に好かれて科学的判断が出来ないのは問題。

 

◼︎大学生活で身についたもので、仕事で活きている力は?またそれはなぜ身についたのか。

友人、恋人など人間関係を通して、相手の「本音」を考えること

多人数対多人数だと、関係をごまかせるが、特に恋愛は1対1の関係なので、自分の中で逃げ場がない。喜びも、悲しみも大きいリスクの高いコミュニケーションをとることで、相手の「本音」を考えた。「本音」が分からないと、相手を理解できない。

利害関係がない場合は、必然的に相手の本音を考えるが、仕事は利害関係の外側に「本音」があるので、これが分かりづらい。しかし、これを無視したら人間関係が崩れる。

患者のこと、スタッフの「本音」を考え、相手を理解しよう心がげている。

 

◼︎感想

医師という個人の裁量権が大きく、資格を持っているだけで裁量が得られる仕事は、企業での働き方とは異なると感じました。

相手の「本音」はどこにあるのか考え、相手を理解しようとする姿勢は、仕事においても私生活においても、人とコミュニケーションを取る上で必要な姿勢だと思いました。

★取材者:ちはる